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不動産の相続税評価に関する問題

掲載日:

Web担当です。
判決が確定したわけでもないので、現段階では書かずにおこうと思っていた事件があるのですが、どうやら一部新聞で報じられたりもしたらしいので、ここで簡単に説明をさせていただくことにします。

 

宅地や建物に関する相続税・贈与税の評価をする時には、基本的に、路線価や固定資産税評価額を用いて算出します。

 

これは、相続税法にそういう規定があるわけではありません。
実は法律ではなく、法令の文言をどう解釈するか、どう運用するかという国税庁の考えを示した、法令解釈通達の1つである財産評価基本通達で、どういった資産はどう評価するのかということが、かなり細かく具体的に定められています。
「法律」ではないにせよ、課税する側の国税庁が評価方法の基準を提示したものであることには変わりがありません。
ですので、実務的にはこの通達に従って財産の評価をするのが、通常のこととなっています。

 

そこで、冒頭に書いた裁判の話です。
実は今年8月の東京地方裁判所判決で、財産評価基本通達によって評価を行った不動産の評価額が税務署により増額された処分を不服として、納税者が起こした訴訟において、納税者敗訴の判決が出されたのです。

 

国税庁の主張は、納税者の算出した評価額は実際の時価とは著しく乖離しているものであり、相続税の負担を不当に低くするものだというもの。
実は、財産評価基本通達には、こういう時の為に定められた「第6項」というものが存在します。

 

 

<財産評価基本通達 第6項>
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

 

 

今回の事件において国税庁は、この定めを更正処分の根拠として主張。
東京地方裁判所はそれを認めたのです。

 

なる程、時価よりもずっと低い評価額での相続税申告を認めてしまっているようでは、「課税の公平」が達成されない恐れがあります。
つまり、租税正義を達成する為の二本柱の一つ、租税公平主義が満たされないことになります。

 

資産家を優遇するような法の運用は許されないという考え方そのものは、基本的には正しいと言えるでしょう。
ただ問題になるのは、今回の判決が今後の相続税・贈与税の実務に対して及ぼす影響です。
今回の判決を契機に、財産評価基本通達第6項が頻繁に適用されるようになると、課税当局の恣意性がそこに入ってこないかということが、危惧されます。

 

この財産評価基本通達第6項は、「伝家の宝刀」とも呼ばれています。
これを課税当局が恣意的に運用することになると、納税者の行ったあらゆる財産評価を、これ1つで否定して、課税当局のいいように変えられる危険性があります。

 

納税者側が控訴したので、最終的な結論はまだ出ていない事件ではあるのですけれど、最終的な確定判決がどうなるにせよ、地裁でこういう判決が出されたことを考えれば、財産評価基本通達第6項の適用に関する明確な基準を設けることは喫緊の課題であり、通達の見直しも含めて広く議論されるべきです。

 

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